あなたの“推し山菜”はどれだ?山菜天国遠野で9種類食べ比べしてみた
みなさん!今年も思う存分、山菜を楽しみましたか?
遠野は現在、行者にんにくやふきのとうなどの山菜の1クール目が終わり、タラの芽やしどけなどの2クール目に突入。
この時期、スーパーや産直にも様々な種類の山菜が並びます。
道の駅の遠野風の丘ではこんなフェアも開催中。
皆さん、山菜の種類ってどれだけ思い浮かびますか?
有名なのはタラの芽やわらび、ふきのとう。
こごみ、しどけ、うるいなども聞いたことがあるのではないでしょうか?
みなさん、山菜って食べ慣れていないと
この山菜ってどんな味だっけ?
天ぷらにして美味しいのはどれだっけ?
香りが強いやつ、苦いやつは苦手だから避けたいなー
と好きな山菜や苦手な山菜もわからないと思います。
そこで今回は、友人たちと山菜を食べ比べ、各々“推し”の山菜を見つける食べ比べを行いました!
全9種類の“推し候補”の山菜たちを紹介!
まず、今回食べ比べのために用意したエントリー山菜たちを紹介します。
エントリーNo.1 タラの芽
山菜の王様とも言われるタラの芽。遠野では「たらっぽ」なんて、可愛い呼び方をされています。「山菜といえばタラの芽でしょう!」と言う方も多いのではないでしょうか。
天ぷらにするとサクサク、ほっくり。
香りがふわ〜りと口に広がり春を感じること間違いなし!
記事を書いててまた食べたくなってきました。
果たして、今回王様の威厳を見せつけてくれるのでしょうか?
エントリーNo.2 ふきのとう
ふきのとうは、春の代名詞と言っても過言ではないのではないでしょうか。
雪解けの地面からひょっこり顔を出すふきのとうに出会うと春を感じます!
独特な香りと苦味は、山菜好きの心を掴んではなしません。
東北では「ばっけ」とも呼ばれています。
天ぷらにしてもよし、味噌といっしょに「ばっけ味噌」に仕立ててもよし。
ふきのとうを楽しみに冬を越す人もいるというほど(私のことです)。
しかし、そのクセの強さから苦手な人もいるのも確か。
今回の評価は果たして?
エントリーNo.3 山ニンジン
実は、今回の企画で初めて知ったのがこの山にんじん。
見た目は、どこにでも生えていそうな草です(ごめんなさい)。
にんじんの葉に似ていることから“山にんじん”と呼ばれていますが、正式名称は「シャク」という植物。にんじんやセロリと同じセリ科の野菜です。
香りも味も未知数!ダークホースの登場です。
エントリーNo.4 行者ニンニク
知る人ぞ知る山菜界のドン・行者ニンニク。
にんにくやニラを思わせる鮮烈な香りは、食欲を無限に引き出します。
生のまま刻んで醤油漬けにするだけで、ご飯が進む魔法の調味料になります。
果たして、今回どれだけ実力を発揮するのでしょうか。
エントリーNo.5 うるい
春になると居酒屋の先付けでおひたしとして出てくることが多いうるい。
香りや苦味が少ないプレーンな山菜というイメージ。
クセがないということは、つまり万人に愛されるということ。
そのアイドル的な魅力から推しに選ばれる可能性も大!
エントリーNo.6 こごみ
こごみは、蕨やぜんまいと似た見た目をしていますが、アク抜きの処理がいらないお手軽な山菜です。見た目のせいで、アク抜きが必要と思われて嫌厭されているのではないか、と勝手に心配しています。
サクサクとした食感が人気で、ファンの多い山菜です。
エントリーNo.7 葉わさび
一年に何度か収穫できる根わさびと違い、葉わさび(または、花わさび)は春の短い期間でしか収穫することができません。まさに幻の山菜。
生の状態では辛味がなく、絶妙な下処理によってわさびのツーンとした辛味を引き出すことができます。
その下処理の技法は、家庭によっては秘技として秘匿されているほど…
今回、オダギリが初めて葉わさびの醤油漬けの調理に挑みました!
エントリーNo.8 しどけ
実は私オダギリは、東北に移住するまでしどけの存在を知りませんでした。
しかし、遠野の人たちは春になると「しどけが食べれる〜〜」と色めきたちます。
香りと苦味のクセが強く、初心者キラーな山菜でもあります。
そのクセが吉とでるのか凶とでるのか。
今回は、上記8種類に加え、塩漬けの蕨を用意し合計9種類の中から、審査員ごとそれぞれの“推し山菜”を決定します!
いざ調理!〜おひたし・てんぷら・ご飯のおとも〜
今回はなるべく下処理のいらない調理しやすい山菜を揃えました。
この山菜を3つの部門に分けて審査します。
おひたし部門
<エントリー山菜>
山にんじん、こごみ、うるい、しどけ、蕨(塩漬けの塩抜き)てんぷら部門
<エントリー野菜>
タラの芽、行者にんにく、ふきのとう、山にんじん、こごみ、うるいご飯のおとも部門
<エントリー野菜>
行者にんにく、ふきのとう、葉わさび
おひたしは山菜の食感が損なわれない茹で加減を狙って湯掻きます。
だいたい1~2分ほどでした。
てんぷらは薄く衣を纏わせて、サクサクに仕上がるように揚げます。
こつはてんぷら粉をかき混ぜ過ぎないことと、氷を入れて冷やすこと。
ふきのとうは衣をつける前に、軽く小麦粉を振りかけました。
特に緊張したのが、葉わさびの下処理です。
失敗するとわさび独特の辛味が引き出せないので、一挙手一投足に集中しました。
果たして美味しく葉わさびを調理することはできたのでしょうか!!??
お待ちかねの!いざ、実食!!
さて、いよいよ審査員三人による実食審査に入ります。
今回の審査ポイントとしては、それぞれの審査員が“推せるか”の他に、遠野のクラフトビールやお米に合うかも基準になっています。
今回用意したビールはズモナビールの「いつかホップ畑で会いましょう」。
国内随一のホップの産地遠野でしか栽培していない新品種のホップのみを使用して醸造したIPAスタイルのビール。
苦味控えめで、爽やかで華やかな香りが特徴の飲みやすいビールです。
お米は遠野で育てられた岩手のブランド米「銀河のしずく」を炊き立てで用意。銀河のしずくは、一噛みした瞬間から甘味を感じるほど、甘味と旨味があります。
冷めても美味しいのでお弁当にも最適なお米です。
まずは、おひたし部門の審査です。 5種類のおひたしを実食します。
一品目:山にんじん
初めて調理する山にんじんのおひたしは、おすすめレシピにあった胡麻味噌和えにしてみました。香りと風味は春菊に似ています。香りが非常に高く、味もなかなかにGOOD!美味しいです。
二品目:うるい
茎の部分に歯応えがあるうるい。
苦味も香りも控えめで、山菜のクセが苦手という人も食べられるオーソドックスな味わいに。醤油にもポン酢にも合います。
三品目:しどけ
香りと苦味のクセが!強い!独特な香りが非常に痛快です。
醤油やポン酢のシンプルな味付けも良いですが、菅原くんは「マヨポン酢が美味しい」と新しい食べ方を発見してました。
やはり得手不得手がしっかり分かれる山菜。
四品目:こごみ
さっと茹でたこごみはサクサク、カリカリとした食感が楽しいです。
香りと苦味は控え目です。食感が特徴的なおひたしになりました。
今回は塩漬したものを、塩抜き処理した蕨を産直で購入しました。
アク抜きの手間がかかる蕨も、遠野では処理済みのものが購入できて便利です。
きっちりとアク抜きされているためクセはなく、シンプルな蕨の味わいはお蕎麦に入れて食べたくなりました。
続いててんぷら部門の審査です。
6種類のてんぷらを実食します。
一品目:山にんじん
おひたしの時よりクセが抑えめになりましたが、香りは健在。
薄い茎と葉なので、てんぷらにするとサクサク感が特に出ます。
これは天ぷらにしても美味しい!
二品目:ふきのとう
てんぷら部門の大本命のふきのとう。
下茹でなどの処理なしで生のまま天ぷらにしましたが、ほどよい香りと苦味の残り具合に。これはもう堪らない!
三品目:タラの芽
山菜の絶対的な王者のタラの芽。
やはり、タラの芽のてんぷらは美味しい!!
ほくほくとした食感と香りが安定しています。
四品目:うるい
茎の部分と葉の部分を別々にてんぷらに。
おひたしの時はクセのないところが売りのうるいでしたが、てんぷらにするとほんのりとした苦味が出てきました。
この苦味が「ビールと合う!」と評判に。
調理方法で風味が変わるのは面白いですね。
田仲審査委員が「おひたしの時よりてんぷらにした方がビールに合う!美味しい」とお気に入りの様子。
五品目:こごみ
お浸しと全く同じ安定した味わい。
食感が楽しく、クセも控え目。誰でも楽しめる一品に。
六品目:行者にんにく
香りが良い!香りだけでお米が進みます。
しかし、サラサラとした葉面に衣がつきにくく、揚げるがとても難しかったです。
揚げるのに成功したのはわずか1枚!
サクサクの食感とにんにくのような食欲を誘う香りが、ごはんにもビールもひきたてます。
最後はご飯のおとも部門です。
一品目:ばっけ味噌
ふきのとうを、下茹でし水で晒してからごま油で炒め、味噌と砂糖やお酒などで炒めたもの。
味噌とお砂糖の甘味とふきのとうの苦味と香りが絶妙にマッチした一品。
ご飯との相性は抜群!
二品目:行者ニンニクの醤油漬け
刻んだ新鮮な行者ニンニクを醤油に一時間ほどつけただけのもの。
醤油は甘さのある醤油を使用しました。
菅原くん「これだけでご飯何杯でもいけるっす。ラーメンとかにも入れたい!」
スタミナを感じる香りと味わいに、ご飯が進む!!
三品目:葉わさびの醤油漬け
調理方法が繊細な葉わさびですが、無事に辛味を引き出すことに成功しました!
ツーンとした絡みが爽快で、ご飯のおともとしてもお酒のおともとしてもピッタリ。
さっぱりとしているので、箸休めにもちょうど良かったです。
結果発表〜〜!!
いよいよ審査員が各部門ごとの“推し山菜”を発表します。
さて、どの山菜が推されるのでしょうか?
☆田仲美季審査員 講評
☆菅原崇史審査員 講評
☆オダギリダイキ審査員 講評
それぞれの”推し山菜”が出揃いました!
オダギリや田仲さんにとってはクセが強く感じた「しどけ」も、菅原くんは推しに選ぶなど、審査委員それぞれの好みがくっきり出ました。
そして、遠野のお米とビールはクセのある山菜にも合わせやすいことが判明。ぜひ、ご家庭でも様々なお食事と一緒にお楽しみください〜
おわりに
この食べ比べをするまでは「こんな草だけの食事で満足することはできるのだろうか」と大学生男子のためにお肉やお魚も用意していたのですが。
結果としては「山菜だけでこんなに満足できるなんて!」と審査員全員が驚いていました。
ごはんも進む!ビールも進む!
ぜひ、皆さんもご自分の“推し山菜”を見つけてみてください!
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編集後記
今回は、遠野の旬の山菜を思う存分食べ比べました。
小さい頃は苦手だった香りの強い山菜や野菜も、大人になれば大好きになったりと、好みは少しずつ変わっていきますよね。
いつか「しどけ」も大好きになりそうな気配がしています。
また、遠野のお米が本当に美味しい〜〜〜。
ぜひみなさんにも遠野の美味しいお米とビールを楽しんでいただきたいと思いました。